学校法人コミュニケーションアート OCA 大阪デザイン & テクノロジー専門学校 (以下 : OCA) は、コミックイラストやゲームキャラクターの制作、プログラミング、動画制作などについて学べる専門学校で、実際の業界現場ですぐに活躍できるほどの実践力を身につけられるのが特長だ。
OCA では、2022 年に実学教育の一環として、教室とは一線を画した e-sports 専攻向け施設 “アリーナ” を新たに設立。この新設のタイミングに合わせて、ライブスイッチャー製品『Vizrt TriCaster 2® Elite』など、プロの現場でも活用されている業務用機材がアリーナへ導入されている。
関連情報
TriCaster® は、イベント、ライブ放送、ストリーミング放送、社内会議、セミナー、企業ビデオ、商品説明などの様々なコンテンツ配信に利用できます。ネットワークに繋げるだけで、簡単に番組制作、ライブストリーミング配信、配信しながら同時収録も可能です。
学生の自由な発想と業務用ライブスイッチャーが共鳴し、より魅力的な e-sports イベントの演出を実現
OCA大阪デザイン&テクノロジー専門学校
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TriCaster を使った
最新活用事例
TriCaster は、オールインワン・ライブプロダクション・システムです。
学校法人コミュニケーションアート OCA 大阪デザイン & テクノロジー専門学校 (以下 : OCA) は、1988 年の開校以来、“職業人教育を通して社会に貢献する” をモットーに、スペシャリストの時代に即した最新の技術や、トレンドに沿ったプログラムを提供している。「産業連携教育」を教育基盤としているため、OCA 校内には各分野を専門的に学べる施設・機材が完備されており、コミックイラストやゲームキャラクターの制作、プログラミング、動画クリエイターなど、学生たちはさまざまな専攻に分かれてデザインとテクノロジーについて学んでいる。実際の業界現場ですぐに活躍できるほどの実践力を身につけられるのが特長的な専門学校だ。
中でもOCA が力を入れている e-sports 科には、『プロゲーマー専攻』と『イベント・マネジメント専攻』の二つの異なる専攻コースが提供されており、それぞれ異なるアプローチで学生を受け入れている。
今回取材した e-sports 科イベント・マネジメント専攻に所属する学生たちは、e-sports業界を盛り上げるイベント企画・運営のノウハウを学んでいる。日々の学習に加え、学校行事を通じての実践的な制作活動にも取り組んでおり、OCA が携わる e-sportsイベントの企画発足から運営までのトータルケアを、同専攻の学生たちが手がけている。
OCA では、2022 年に実学教育の一環として、教室とは一線を画した e-sports 専攻向け施設 “アリーナ” を新たに設立。この新設のタイミングに合わせて、ライブスイッチャー製品『Vizrt TriCaster 2 Elite』など、プロの現場でも活用されている業務用機材がアリーナへ導入されている。
お話いただいた OCA 大阪デザイン&テクノロジー専門学校 e-sports 科の皆さん
- 教務部 : 白井 貴大先生
- e-sports 科の学習支援や施設管理を担当
- イベント・マネジメント専攻 : 山本 桂吾さん
- ディレクター志望
- イベント制作では “企画・演出” を中心に担当
- イベント・マネジメント専攻 : 冨田 健正さん
- テクニカルディレクター志望
- イベント制作では ”システム構築・機材オペレーション” など技術パートを担当
テクノロジーと教育の融合 リアルなスキルが身に付く環境づくりと、プロ仕様の機材導入を決意
OCA は e-sports アリーナの新設を機に、学生たちが最先端の機材・技術にアクセスしやすい施設を整え、より実践的なスキルをリアルな状況で身に付けられる環境構築を目指していた。
ライブスイッチャーの選定では、公式の e-sports 世界大会でも高い評価を得ているVizrt 社のライブ映像制作システム『TriCaster シリーズ』が候補に挙がった。相談を受けた電音エンジニアリングとアスク・エムイーは OCA 校内に実機を持ち込み、TriCaster の製品デモを実施。その機能紹介や実機操作を体験した e-sports 科の学生・講師たちからは、ぜひアリーナに TriCaster を導入したい!との声が上がり、新設アリーナへの TriCaster 導入が決まった。
チャンネル数と処理能力を考慮した結果、e-sports アリーナに最適なモデルは『TriCaster 2 Elite』であると担当者から提案を受け、同モデルの採用が決定しました。
実践的なトレーニングが可能に プロレベルの会場演出と配信向けの画作りを叶えた制作システムとは?
アリーナの新設以来、イベント・マネジメント専攻の学生たちは、会場 (アリーナ) へ観客を呼び入れると同時に、OCA e-sports 科の YouTube チャンネルで試合の様子をライブ配信する “ハイブリッド型” のイベント制作に取り組む機会が増えた。会場 / ライブ配信両方の演出力を高めている同アリーナの設備には、以下のアスク・エムイー取り扱い製品を中心に、プロ水準の映像制作システムが組み込まれている。
ライブスイッチャー / リプレイシステム
Vizrt 社の TriCaster シリーズは、複数のカメラから入力されたライブ映像に編集・加工・合成などを加え、最終的にインターネットでライブ配信したり、内蔵ストレージに配信映像を保存したり、あるいは演出用の動画素材をビデオ再生して利用することも可能なオールインワン・ライブ映像制作システムだ。多種多様な演出をシステム内で可能にする映像合成ツールと、幅広い製品ラインナップから使用用途に応じて選択できるのが特徴的な製品シリーズである。
OCA のアリーナでは、フラッグシップモデルの『TriCaster 2 Elite』が導入されている。安価な機材とは異なり、思い付く限りの映像演出にはこれ 1 台で対応できる、十分な機能が濃縮されているモデルだ。
一瞬の名シーンを再び観客に見せることができるリプレイシステムには、同じく Vizrt 社から出されているスポーツ中継用リプレイ製品『3Play 3P2』が活用されている。
参考 : TriCaster e-sports 事例紹介ビデオ https://www.youtube.com/watch?v=5yeW44A2ScY
IP 映像伝送プロトコル : NDI
『NDI (ネットワーク・デバイス・インターフェイス)』は、米国の Vizrt (旧 NewTek) 社が開発した IP 伝送プロトコルだ。一般的なギガビットイーサネット環境下で、TriCaster や IP シリーズのシステム同士だけでなく、NDI 互換のさまざまな映像、音声、メタデータをリアルタイムに相互伝送できる。このテクノロジーにより、IP を活用した次世代のライブ映像制作ワークフローが実現されている。
参考 : NDI 紹介ビデオ https://www.youtube.com/watch?v=qH_I8VVeRpg
複数の IP ソースを扱う映像制作システムを構築する際、ネットワーク設定に関する課題が最初に挙げられるが、OCA ではプロフェッショナルな映像制作向けに開発された NETGEAR 社のネットワークスイッチ『M4250』シリーズを導入することで、この問題を解決している。
M4250 シリーズは、AV over IP ワークフロー向けに NETGEAR 社が開発したネットワークスイッチであり、通常であれば必要とされる VLAN / マルチキャスト / QoS などのネットワーク設定にも、同製品の内部システムが自動的に対応する。そのため、ネットワークの専門知識がないユーザーでも、M4250ネットワークスイッチをシステム内に組み込むことで、簡単に IP ソースの集約と一括管理が可能となる。
参考 : NETGEAR ネットワークスイッチ紹介ビデオ https://www.youtube.com/watch?v=rg6ZvQM0Mqc
IP ⇆ ベースバンドの相互変換 / 観客用モニターへの映像出力
AJA 社の BRIDGE NDI 3G は、IP ビデオへの需要が高まる中で、NDI を簡単に既存設備へ統合できる製品だ。BRIDGE NDI 3G は、3G-SDI 信号と NDI の相互変換に対応しており、高品質な NDI 変換を難なく実現できる。
今回、OCA では BRIDGE NDI 3G を使用して、アリーナ内のゲーミングPC × 10台の映像ソース (SDI) を NDI に変換し、TriCaster 2 Elite に入力している。逆に、TriCaster 2 Elite から各対戦台に取り付けられた観客用モニターへの映像出力では、BRDGE NDI を介して NDI から SDI への変換を行い、TriCaster 2 Elite からの映像信号をモニターに送出している。観客用モニターへの映像出力および切り替えは、放送機器向けにカスタマイズ可能な SKAARHOJ 社の汎用コントローラー『Quick Pad』で、スイッチング担当の学生が制御している。
参考 : AJA BRIDGE NDI 紹介ビデオ https://www.youtube.com/watch?v=T79Uf-2sr-Q
学びを超えた、創造力・即戦力へ 実践的なスキルを身につけながら自由なアイディアを活かせる環境を実現
未来への展望 OCA が育む未来のクリエイター像と、学生たちが切り拓く新しい映像演出とは?
OCA の実践的かつ創造的な教育は、学生たちに幅広い視野を提供し、知識、技術、ビジネスマインドを持った業界が求める “即戦力” を高めている。今回、映像業界向けの機材がその一翼を担う現場を取材することができた。今後は、映像技術の発展と教育の融合により、新しい実学教育の未来が切り拓かれていくだろう。
導入製品
取材協力
- OCA大阪デザイン&テクノロジー専門学校
- https://www.oca.ac.jp/
販売元
- 電音エンジニアリング株式会社
- https://denon-eng.co.jp/