GMOインターネットグループは、新卒パートナーの入社式で AI 搭載 PTZ カメラを試験的に導入し、効率的で視覚的にスマートな映像制作を実現した。PTZ カメラの自動追従機能や遠隔操作により、従来必要だったカメラマンの配置が簡素化され、社内からも好評を得ることができた。

この導入事例は、映像制作や配信業務における企業や配信スタジオの課題解決に、AI技術の活用が大きな可能性を提供することを示している。

関連情報

AVITOK (アビトック) 社は、ビデオ会議ソリューションを中心に革新的な製品開発を行い、販売する企業です。製品は、ビデオ会議、オフィス、学校・教育機関、遠隔医療向けを始め、映像プロダクションや配信スタジオなどの分野で広く使用されています。

AI 自動追従機能と遠隔操作が可能な PTZ カメラで、スマートな映像制作を実現

GMOインターネットグループ、AI 搭載 PTZ カメラを活用して入社式の配信を成功させる

GMOインターネットグループ株式会社

導入機材
AVer PTC310U
AVITOK V429B4-NDI
AVITOK C170

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GMOインターネットグループ

GMOインターネットグループは、インターネットのインフラ事業を中心とし、グループ全体で連結 100 社以上を抱える大規模な企業グループである。GMOインターネットグループはここ数年、入社式をオンライン上で開催していたが、昨年からグループ第2本社・渋谷フクラスにある「シナジーカフェ GMO Yours」にて、新卒パートナー (従業員) が実際に顔をあわせる対面形式での開催が再開され、4 年ぶりの「脱マスク」による入社式となった。また、当日会場に参加できないパートナー向けのライブ配信も兼ねたハイブリッドイベント形式で行われた。

配信を担当したのは、GMOインターネットグループ株式会社 事業統括本部 Webプロモーション研究室クリエイティブチームの 5 名で、そのうち 4 名については、普段はインハウスの動画クリエイターとして、広告動画やブランド価値向上のための動画制作を担当している。今回、同社の人事総務部より入社式の配信依頼があったことがきっかけで、PTZ カメラや AI などの映像制作ソリューションを試験的に導入することとなった。これは AI・ロボット・動画等の最新技術を活用し、業務効率化を図る GMOインターネットグループの方針に沿ったものである。
また、配信業務については他部署ではこれまでも行われていたものの、同部署では初めての試みであった。

GMOインターネットグループ

人員効率と視覚的なスマートさの両立

従来の撮影方法ではステージ上の登壇者の動きをカメラで追いかけるために、どうしてもカメラマンをステージ近くに配置する必要があり、カメラマンが目立ってしまい視覚的にスマートではなかった。そこで、AI による被写体の自動追従が可能なカメラと、遠隔操作が容易な PTZ カメラを選定することにした。将来的な導入を見据えて、PTZ カメラは高品質な映像を手頃な価格で利用できる点も選定の上で重要なポイントであった。

配信現場のカメラ設定と接続

当日の配信現場では、AI 自動追従機能が搭載された PTZ カメラ (以下、AI カメラ) で登壇者を追いかけ、別の PTZ カメラで全体像を映す設定にしていた。機材は各デバイスで IP 設定を行い、ローカルエリアネットワーク (LAN) を介して接続、映像ソースは SDI や HDMI で出力し、スイッチャーに入力した。

GMOインターネットグループ

入社式で使われたカメラは合計 5 台。PTZ カメラ 2 台以外の残り 3 台のカメラは同社が保有するカメラを固定し、式の最中に動かす必要があるカメラはすべて PTZ カメラ 2 台で対応した。PTZ カメラは、AVer の AI カメラ「PTC310U」を登壇者の追尾用に使用し、AVITOK の PTZ カメラ「V429B4-NDI」は、ステージの上手袖の位置に設置され、登壇者とステージ前の座席に座る役員や新卒パートナーの顔、会場の様子を撮影するために使われた。

また、AVITOK の PTZ カメラの制御は同社の PTZ カメラ用コントローラー「C170」で操作され、AVer の AI カメラはパソコン上のウェブ UI と付属のリモコンで操作された。AI カメラは基本的に自動追従で任せたまま稼働され、登壇者をうまく追い切れなかった場合にのみ調整する形で使われた。これにより、被写体が急に動いてもステージ上でカメラマンが慌ててカメラを動かすこともなくなり、1 人で 2 台のカメラを同時に操作することができるようになった。さらに、カメラマンをステージ上に配置する必要がなくなり、効率的な映像制作と共に見栄えもスマートになった。

GMOインターネットグループ

担当者の感想と AI カメラの利便性

今回の配信は、音響、映像出し、配信カメラ、配信チェック、スイッチャー担当を含めて 5 人で担当した。2 種類の PTZ カメラを利用した結果、入社式の配信がスムーズで高品質なものとなり、社内からも好評を得ることができた。

また、担当者からは
  • 「AI カメラの自動追従機能が非常に便利で、もう 1 台の PTZ カメラに集中できたことが大きなポイントでした。」
  • 「初めて使うにも関わらず、操作が直感的で簡単に扱えました。リモコンで自動追従を解除することもでき、自由度が高かったです。」
  • 「セットアップが容易で、固定 IP の設定さえ済ませれば問題なく接続できました。」
といった声が寄せられた。
GMOインターネットグループ

この記事では、GMOインターネットグループが AI カメラと PTZ カメラを試験的に導入し、入社式の配信を成功させた事例を紹介した。映像機器にも AI 技術の活用が進んでおり、これまで専任者に頼っていた作業を一部 AI に任せることで、企業イベントなどの映像制作や配信業務がより手軽で効率的になるだろう。映像制作における企業や配信スタジオの課題解決に AI 搭載 PTZ カメラをオススメする。

取材協力

  • GMOインターネットグループ株式会社 事業統括本部 Webプロモーション研究室クリエイティブチーム
  • https://www.gmo.jp/

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