スマホ向けの縦型動画でインターネット配信
株式会社フリーウェイズ
家でも楽しめる夏の風物詩を
今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、夏祭りや花火大会など、多くのイベントが中止になった。夏らしいことが出来ていないという人も多いのではないだろうか。夏の風物詩を家でも楽しんでもらおうと、モバイル向けショートムービープラットフォーム「TikTok」は、7 月中旬から約 1 ヶ 月にわたり、「#TikTok夏祭り2020」を開催した。その企画の一つとして、同社のライブストリーミング機能「TikTok LIVE」を使ったシークレット花火大会「TikTok HANABI LIVE」が生配信された。
花火大会の配信は、株式会社フリーウェイズ 勝田晃生氏が映像制作・配信を担当し、配信システムには NewTek 社のライブビデオ制作システム TriCaster シリーズの上位機種 VMC1 と、拡張モジュール NC1 Studio I/O が使用された。
縦型動画プラットフォームへの配信
テレビや YouTube など、これまで動画は横向きのディスプレイで視聴することが主流であった。しかし最近は、スマートフォンや SNS の普及により、縦型の動画を見ることが多くなった。縦型動画は、スマートフォンを回転することなく片手で視聴でき、とくにスマホネイティブと言われる若い世代を中心に支持されている。TikTok をはじめ、Instagram のストーリーや Twitter の Periscope など、縦型動画に対応したプラットフォームも増えているのが現状だ。
しかし、従来の映像機器のほとんどが 16:9 のアスペクト (画面) 比での動画制作を前提としている。縦型の画面で動画配信を行うためには追加の機材が必要であったり、モニタリング環境を縦型動画用に配置するなどの工夫が必要だ。さらにビデオの回転処理に伴う画質低下など、映像制作ワークフローのあらゆる箇所で問題が発生する。そのような状況下に加えて、真夏の屋外でのライブ配信、さらには機材や電源供給が限られた環境で、縦型動画配信向けの安定したワークフロー構築が求められた。
4K カメラとドローンで撮影、TikTok LIVE で配信
撮影ベースは打ち上げ会場の正面に設置された。今回のシステムでは縦型動画のライブ配信に対応できるよう、NewTek 社の 4K UHD 対応ライブ映像制作・配信システム VMC1™️ を中心に配置した。撮影には花火を正面から捉える 4K カメラ 1 台と花火フォローのカメラ 1 台、ドローン 2 台、出演者用カメラ 3 台の合計 7 台を使用。すべての映像を VMC1 システムに入力し、映像切り替えができるようにした。入力された映像はテロップなど演出用のグラフィックを VMC 上で重ね、離れた場所にある配信ベースに伝送、TikTok へ配信された。
縦型動画のアスペクト比に対応したシステム
NewTek 社の VMC1 を今回採用する決め手となったのは、放送用映像機器の中では数少ない、縦型動画での配信を既に考慮された作りだからだと勝田氏は語る。
VMC1 では、システム内部のプロジェクト設定で縦型動画の映像フォーマットを選択でき、スイッチングを含め VMC1 の特長をそのまま利用することができる。縦型動画 (9:16 など) だけでなく、スクエア (正方形) 動画フォーマットにも対応しており、モニタリング環境を縦に配置して対処するなど、不自然な処理を現場で行う必要もない。
VMC1 では元の画質を維持したまま、あらゆる映像信号の処理も可能だ。今回は 4K カメラ映像のセンター部分から縦型動画に必要な解像度で画面を切り出し、配信用にサイズを調整して使用した。VMC1 は NDI をベースとした IP ビデオシステムだが、SDI 入出力を各 4 系統兼ね備えており、既存の SDI 機器との組み合わせも可能だ。今回求められたシステム要件では、SDI の入力系統が 4 系統以上必要であったため、オプションの NC1 Studio 拡張モジュール 1 台を追加し、マルチカメラ配信・収録に対応した。
スマホ視聴に最適な、臨場感のある映像
前半は MC によるトークや花火の製造工程を紹介する VTR 映像、後半が花火大会の生中継という番組構成の中、地上のカメラとドローンの映像を切り替えながら、視聴者に映像を届けた。撮影の前段階からシステム全体を通して縦型動画の画面が考慮されていたため、花火をうまく捉え、スマートフォンの画面を活かした高画質で臨場感のあるライブ配信となった。
現場の運用面では VMC1 の導入により、縦型動画のライブ配信向けにワークフローを合理化。屋外中継の機材を最小限に抑えることができ、現場でのオペレーションの負担はかなり軽減した。また株式会社フリーウェイズでは、過去の NewTek TriCster シリーズを既に導入しており、操作性など現場での運用において不安がなかった点も大きかったという。
NDI をはじめ IP ビデオ方式を活用すれば、スマートフォンで撮影した映像を直接 NewTek VMC1 や 他の TriCaster シリーズに入力することも可能だ。スマートフォンでの視聴や SNS でのライブ配信は今後も増えることが予想され、縦型動画配信の活用の場はこれからも広がりそうだ。
取材協力
株式会社フリーウェイズ http://www.freeways.co.jp
NewTek 社について
NewTek 社は、誰もがインターネット活用による映像コンテンツを作成し、世界中でそのコンテンツを共有することができる革新的ツールを長年に亘って提供し続けています。スポーツイベント、トーク番組、ライブエンターテインメント、学校や企業間のコミュニケーションなどのライブコンテンツの配信から収録まで、視聴者へコンテンツやブランドイメージを高品質で分かりやすく提供したいというすべてのユーザーに製品とサービスを提供いたします。
主なクライアント : NewYorkGiants、NBAデベロップメントリーグ、Foxニュース、BBC、NHL、Nickelodeon、CBSラジオ、ESPNラジオ、Foxスポーツ、MTV,TWiT.TV、USATODAY、DepartmentofHomelandSecurity (DHS)、NASA、その他フォーチュン100 の 80%以上の企業にご利用いただいています。
NewTek は米国テキサス州サンアントニオ市に拠点を置いています。
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