ドラマ / CM 撮影、ライブ中継、編集、カラーグレーディング、VFX 制作、MA、CG、ディスクオーサリングなど、映像制作の技術を幅広く提供しているパナソニック映像株式会社。ハイエンド向けの映像制作を担当する同社の撮影チームには、カメラマンから DIT まで映像制作のトータルワークフローを支える人材が集結している。CM 制作の現場に入る際には、その場でクロマキー合成や LUT を適用させ、より仕上がりに近い状態でのプレイバッグを可能にする IN2CORE 社のビデオアシストシステム『 QTAKE 』を活用。この QTAKE で、より質の高いマルチカメラ収録とプレイバックを実現したパナソニック映像の CM 制作現場を取材した。

関連情報

QTAKE は、Mac OS Xで動作する最先端のビデオアシストソフトウェアです。QTAKE は、新しい概念のファイルベース収録ワークフローを提供します。QTAKE は、撮影時にカメラ収録と同時にインジェストを行い、様々な撮影記録を効率的に整理します。撮影終了時にはデジタイズも完全に終了、即座にノンリニア編集へ移行することが可能です。同時に一連の作業をそれぞれ最大限に効率化し、さらに作品のクオリティアップを積極的にアシストします。

映像コンテンツを “確実” かつ “迅速”に制作できるトータルワークフローが可能に

パナソニック映像

導入機材
IN2CORE QTAKE
AJA Io シリーズ
AJA Ki Pro シリーズ

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QTAKE を使った
最新活用事例

QTAKE は、Mac OS Xで動作する最先端のビデオアシストソフトウェアです。

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パナソニック映像、ビデオアシストシステム『QTAKE』でマルチカメラ収録とプレイバックの質を高めた CM 制作を実現

導入先

パナソニック映像株式会社は、パナソニック系列の映像制作やポストプロダクション・スタジオ業務に携わっていたグループ会社での合併を経て設立された。大阪と東京を拠点に、ドラマ / CM 撮影、ライブ中継、編集、カラーグレーディング、VFX 制作、MA、CG、ディスクオーサリングなど、映像制作と技術サービスを幅広く提供している企業だ。映像業界のさまざまなフィールドから集まった知識・技術を活かし、誰かの「想い」をカタチにして「伝える」ビジュアル・ソリューションを手がけている。

ハイエンド向けの映像制作を担当する同社の撮影チームには、カメラマンから DIT (デジタル・イメージング・テクニシャン) まで映像制作のトータルワークフローを支える人材が集結。CM 制作の現場では、その場で合成や LUT (ルックアップテーブル) を適用させ、より仕上がりに近い状態でのプレイバッグを可能にする IN2CORE 社のビデオアシストシステム『QTAKE』が活用されている。

ビデオアシストシステム『QTAKE』採用のきっかけ

ビデオアシストシステム『QTAKE』採用のきっかけ

導入の経緯

当初、パナソニック映像では 3 〜 4 台のカメラ構成の場合、映像をマルチ画面で収録していた。しかし、撮影現場でクライアントから各カメラソースのプレイバックを全画面で希望されることが多く、その際は拡大表示で出すしかなかった。この対策として、複数の HD レコーダーを使用したり、マルチチャンネル HD 収録が可能な 4K レコーダーに収録したりしていた同社。だが、これだと各映像ソースの同期が必要になるほか、プログレッシブへの変換など、さらに制作工程・機材が増えてしまう課題を抱えていた。

CM の制作現場では、時間と予算の制約で需要が高まるマルチカメラ収録と、現場でのプレビューが重視される。そのため、収録とプレイバックを効率化できる機材が必要となって機材選定を開始。マルチチャンネル収録ができるレコーダーや他のソフトウェアと比較した結果、業界で唯一、制作現場で求められる幅広い機能を一つの製品でカバーしていた『QTAKE』を 2022 年 4 月に導入した。

現場から QTAKE 指名の声が増えてきた

パナソニック映像で CM を中心に DIT として活躍し、技術チームのリーダーを務める中村 貴志氏 (以下、中村氏) は、QTAKE の知名度が採用までの一歩をさらに進めたと話す。

中村氏 「3 年ほど前、 CM の背景撮影でタイへロケに行きました。その際、現地の機材屋へ立ち寄ったところ、 QTAKE を勧められまして。しかし、当時は使用経験がなかったので、結局は日本から持ち込んだ機材で対応したということがありました。特に海外の撮影現場や撮影チームが関わるプロジェクトでは QTAKE が主流として導入されているようだと知り、扱える (操作を覚えていた) 方がいろいろ便利だと感じたのも導入の決め手になりました。DIT の制作現場では、 QTAKE が世界標準になり始めている気がします。」

同社では、以前よりクライアント側から QTAKE のオペレーション部分を依頼されるケースもあったそうだ。クライアントへの要望に対してさらに柔軟に応えたいと、QTAKE の追加が決まった。

システム構成

システム構成

マグライナーミニ (以下カート) に、コンパクトなライブスイッチャー 2 台を搭載。QTAKE はカートの上段に配置し、MacBook Pro と AJA 社のビデオ I/O デバイスを接続して QTAKE を操作している。QTAKE の隣では Adobe Premiere Pro (以下 Premiere) を稼働させ、中村氏がその場で合成用の素材やテロップを作成。QTAKE へ送り込んでそのまま素材出しができたり、QTAKE のプレイバックと Premiere の出力をスイッチャーで合成できたりと、編集にも携わっていた中村氏の経験を活かし、Premiere で臨機応変にレイアウトを調整できるシステムが組まれている。

QTAKE で収録した映像は外部ストレージに保存。そして、Premiere からはネットワーク経由で収録素材を見に行く形が取られているため、Premiere 上ですぐに素材を利用できる。

また、カートの背面側に設置された SDI ビデオルーターは、QTAKE の操作画面から直接設定を変更できる。そのため、ビデオの入出力を即座に切り替えることが可能。案件によって多少の変動はあるが、パナソニック映像では大手飲食店や飲料メーカーの CM 制作現場で、上記システムをメインに DIT 業務を運用している。

導入結果

同社では、クライアントから「CM 制作の全工程を任せたい」と依頼が入ることも多い。そのため、映像制作の始まりから終わりまで、トータルワークフローを強化できる QTAKE は欠かせない存在となっているという。

中村氏「QTAKE はプレイバックチェックからメタデータ管理までワンストップで対応できるので、導入後はかなりワークフローを効率化できたと思います。カメラの台数など、撮影時に変更が入ることも多い CM 制作の現場でも柔軟に対応できる仕様なので、すでにお客様からは信頼度が高いとご好評をいただいています。」

同社では LUT のインポート/エクスポート、ライブのビデオ信号あるいはプレイバック時に、カラーグレーディング・エフェクトを適用できる QTAKE 拡張モジュール「GRADE」を導入している。また、スマートフォンやタブレット、ノート PC の QTAKE 上で表示・出力している映像を受信し、モニタリングできる QTAKE 拡張モジュール『Stream』も案件により使用。Stream を利用することにより、iPad や iPhone にインストールした QTAKE 専用の無料アプリケーション『QTAKE Monitor』を経由して QTAKE 上で流れている映像のモニタリングできるため、撮影現場内のあらゆるスタッフへ映像を共有できる。同社の担当する制作現場でも、クライアントを含めた各メンバーが手持ちの iPad で撮影のプレイバッチェックを行う場面がある。そのため、拡張モジュールのレンタルサービスを活用しているのだ。

タイトな撮影スケジュールで、さまざまな作業が発生する CM 制作の現場。そんな中、柔軟に対応できる QTAKE の機能だけでなく、リモート撮影 / 制作 / モニタリングまでカバーできる拡張モジュールは、QTAKE のユニークな特徴の一つだろう。

今後の展望

今後の展望

QTAKE を導入し、その “何でもできてしまう” 機能の柔軟さに期待が高まっていると語る中村氏。QTAKE がもたらす今後の展望についても話を聞いた。

中村氏「QTAKE を導入してから、これまで繋がりのなかったカメラマンさんや制作チームと仕事をする機会が増えました。“QTAKE を持っている / 扱える” DIT として周知され始めていて、だからこそ、また一緒に仕事がしたいと思ってもらえている気がしてるんです。今後も、その広がりには期待していますね。」

同社には、中村氏のほかにも DIT 業務を担当しているメンバーがいる。現場で高まり続けている QTAKE の需要から考えると、 1 台ですべての案件をカバーするのは厳しいため、2 台目の導入を検討していそうだ。

デジタル時代の波により視聴者の目が肥えて、映像制作の幅が広がり続けるコンテンツ業界。QTAKE が持つ多芸多才な機能が、日本の DIT でも業界標準として実証される日は遠くないだろう。

取材協力

パナソニック映像株式会社

販売・レンタル先

  • 株式会社 エム・アイ・エム
  • 電話 : 03-3556-6708
  • メール : このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
  • HP : https://mim-corp.co.jp/

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