アスク・エムイー ( ASK M&E ) : 株式会社 アスク メディア&エンタープライズ事業部

映画・CM・ミュージックビデオ・TV 向けの撮影機材のレンタル事業を中心に、撮影全般のオペレーションに関わる広範なサービスを提供する有限会社特殊映材社 (以下、トクシュ)。ドラマや映画、CM 撮影からバーチャルプロダクションまで、幅広い撮影を手掛けている。同社が携わる撮影においてプレイバックチェックやメタデータ管理、合成、モニタリングなど今日の映画・CM 撮影で重要視されるプロセスで活躍しているのが、QTAKE ビデオアシストシステムおよび QTAKE 専用ターンキー「OVIDE SMART」シリーズだ。

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QTAKE を使った
最新活用事例

QTAKE は、Mac OS Xで動作する最先端のビデオアシストソフトウェアです。

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ビデオアシストに特化したソリューション

トクシュではビデオアシストシステム「QTAKE」と、QTAKE 専用ターンキー「OVIDE SMART ASSIST」および「OVIDE SMART DOCK」を導入している。

■ ビデオアシストシステム「QTAKE」

ビデオアシストとはハリウッドで生まれた概念で、収録から編集までのワークフローを効率化する機材、あるいはそれを操るオペレーターを意味している。QTAKE は IN2CORE 社 (本社：スロバキア) が開発した、ビデオアシスト業務特化の Mac OS 向けソフトウェアだ。撮影時にカメラ収録と同時にインジェストを行い、キーイングや色調整、LUT 機能などを用いたモニタリングとプレイバックを可能にする。

■ QTAKE 専用ハードウェア「OVIDE SMART ASSIST / OVIDE SMART DOCK」

OVIDE SMART ASSIST および OVIDE SMART DOCK は OVIDE 社 (本社 : スペイン) が開発した QTAKE 専用のハードウェアで、QTAKE 向けに最適化されたオールインワンソリューションだ。QTAKE とタッチパネル式モニターが一体となった OVIDE SMART ASSIST と、QTAKE をインストールした Apple コンピューター製品に接続する外部拡張機器タイプの OVIDE SMART DOCK が用意されている。QTAKE の操作性と効率性を最大限に追求した OVIDE SMART シリーズは、撮影現場においてビデオアシストオぺレーターに適した、強力で効率的なシステム構築を可能にする。

トクシュが QTAKE に出会ったのは、プレイバックチェックやメタデータ管理、合成、モニタリングなど、ビデオアシストに特化したソリューションを探していたときのこと。導入以来、ドラマや映画の撮影からバーチャルプロダクションまでスタジオまたはロケーションで幅広く使用していく中、専用ハードウェアの必要性を感じて OVIDE SMART シリーズの導入を決めた。この 2 つの製品の組み合わせは、ビデオアシストに最適化されたものとして世界の映像制作現場で支持されている。ハリウッド映画や Netflix などでも活用されており、トクシュが担当する撮影でも欠かせない存在となっている。

プレイバックチェックからメタデータ管理までワンストップで対応

QTAKE にはプレイバック操作やメタデータ管理など、今日の映画・CM 撮影に必要とされる機能が揃っている。シーンやカットナンバーなどの情報はソフトウェア上で手間なくすぐに入力でき、検索も簡単だ。撮影期間が数ヶ月に及ぶプロジェクトではカット数が万単位に上ることもあり、いかにメタデータを管理するかが重要なポイントとなる。関係者から特定のシーンを見たいと言われた場合でも、QTAKE なら膨大な量のカットの中から即座に検索してプレイバック可能。いくらでも撮影日時をさかのぼって検索できる点は、非常に重宝しているという。

大きな機材が持ち運べない撮影現場では、QTAKE の開発元である IN2CORE 社の「ScreenPort SDI」を活用することもある。ScreenPort SDI はコンパクトな SDI 入力用デバイス。カメラからの SDI 出力を本体の SDI 入力ポートに接続し、iPad や iPhone、Mac に USB-C 接続することで、iPad などのポータブルデバイスが SDI モニター＆レコーダーとして活用可能になる。

また、QTAKE の拡張モジュール「QTAKE Cloud Sync」サービスを組み合わせると、撮影した素材を iPad や iPhone にインストールした QTAKE 専用の無料アプリケーション「QTAKE Monitor」経由で専用のサーバーへ自動的にアップロードできるため、撮影素材の共有も可能だ。ScreenPort SDI と iPad を使って、離れた場所で撮影しているチームの素材も QTAKE Cloud Sync サービスを介して即時にチーム全体で確認できるのだ。そのため、ロケハンやアングルチェックの段階から本番撮影まで関係者間での情報共有が図りやすい。さらに撮影しながら同期・共有できるので、さまざまな作業が発生する撮影現場で時間の有効活用にもつながりタイトな撮影スケジュールにも柔軟に対応できる。

また、撮影現場でも感染症対策が求められる昨今、「QTAKE Monitor」を使用することで、Mac や iPad、iPhone が各個人専用のモニタリングツールになる点も大きなメリット。遠隔地からのリモートプレビューはもちろん、撮影現場内でも各スタッフが密を避けてモニタリングでき、撮影の安全な進行が可能になる。Mac や iPad では最大 9 クリップまで同時に並べて再生でき、カット毎の演出的な整合性の確認などにも重宝している。

専用ターンキーならではの使い勝手の良さ

OVIDE SMART シリーズの最大のメリットは、QTAKE の操作に最適化されたオールインワンソリューションであることだ。内蔵のビデオカードは QTAKE 向けに、最適なパフォーマンスと可能な限りディレイのない低遅延のビデオを提供。SSD 記録メディアとビデオ/オーディオ入出力ポートは、撮影現場に必要なモニタリング機能に充分なスペックを備えている。電源はホットスワップ対応で、電源ケーブルまたは外部バッテリーの電源が使用可能な状態であれば、状況に応じて自動的に電力供給が切り替わる。そのため、電源の取り回しで作業を中断する必要がない。

モニターと一体型の OVIDE SMART ASSIST は上記の機能性に加えて、タッチスクリーンによる直感的な操作が可能だ。比較的コンパクトながら、最大 4 系統の HD カメラまたは 1 系統の 4K カメラ入力を ProRes4444 で収録し、同時に H.264 も収録する。4 台の HD カメラを接続した場合でもストレスなく使えるパフォーマンスを備えているほか、持ち運びも簡単なので DIT カートが入れない狭い場所でも使用できる。さらに OVIDE SMART ASSIST には UPS が内蔵されており、バッテリー駆動で充電が無くなったり意図せず電源ケーブルが抜けてしまったりしても、いきなり電源が落ちる心配がない。電源が接続されていない状態だとアラートが出るので、その間にバッテリー交換や移動による電源確保が可能だ。極寒地や真夏のロケでの使用実績もあり、どんな条件の撮影現場でも使い慣れた機材で同じワークフローを構築できることが重要で、トクシュではオペレーションの質の保持にもつながっているという。

QTAKE をインストールした Apple Mac 製品を接続して使用する外部拡張機器タイプの OVIDE SMART DOCK は、最大 2 系統の HD カメラ入力に対応している。たった 1 本の配線で、Mac をビデオアシストオペレータ向けにフル装備されたハブへと変貌させることが可能だ。そのため、普段は Mac 単体で作業しているが、撮影内容に応じて QTAKE を追加で使用したいという場合にも最適だ。

幅広い状況に対応できるオールインワンのメリットで、撮影フローを効率化

トクシュでは長期間に及ぶ撮影や大きなプロジェクトにおいて、カット数の多さとメタデータ管理の観点から、QTAKE および OVIDE SMART シリーズが無くてはならない存在となっている。複数の機材を組み合わせて同じようなフローを組むことも可能だが、この 2 つの製品の組み合わせにしかできない機能も多数ある。OVIDE SMART シリーズなら膨大な時間が必要なシステムの検証作業や機器同士の組み合わせによる相性の確認作業は必要ない。撮影中はプレイバックチェックだけでなく、VFX の簡易合成やカット編集の検証など関係者の要望に合わせた幅広い対応を求められることも多い。そのような場合、特にオールインワンのメリットを感じるという。機材のチェックや日々のメンテナンスが最小限の時間で済むことも大きな武器だ。

また、トクシュでは QTAKE とメディアマネジメントツールを組み合わせて、撮影時のログシート作成にも活用している。撮影しながら詳細なログシートの作成を進められるので時間を有効活用でき、メタデータの集合体である QTAKE XML を書き出し、メディアマネジメントツールにインポートすることによって撮影後の作業時間の短縮につながっている。これは、メタデータ管理に優れている QTAKE だから実現できることだ。

撮影中は限られた時間で、技術やカットなどに関する膨大な情報を関係者間で共有しなくてはならない。また、合成を使った撮影になると、共有しなければならない情報はさらに増える。QTAKE を利用することで、撮影時に得られるメタデータを余すところなくワークフローの後段へ継承し、編集・VFX・MA・カラーグレーディングなどの各セクションで、メタデータを活用した高効率なワークフローの構築が可能になる。そのため、今後はメタデータの効率的な一括管理がより重要視されていくだろう。

トクシュが手掛ける撮影で、ビデオアシストシステムは必要不可欠な存在だ。同社では今後も引き続き、QTAKE および OVIDE を活用していく。