オンラインで祈祷、夏祭りのあり方を模索

新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、今年はできるだけ 3 密を避けるように、外出自粛と STAY HOME を心がけるようにと、日本中の神社仏閣で恒例行事や夏祭りの中止が取り沙汰されている。しかし、こういう時だからこそ神仏のご加護を願う方々も多いのではと思い、愛染堂勝鬘院 山岡武明住職を中心に、大阪三大夏祭の最初にあたる愛染まつりをインターネット上で動画配信する「オンライン愛染まつり」が実施された。

「コロナ以降の夏祭りのあり方を模索していくとともに、オンラインでも愛染まつりを安全に楽しんで頂きたい。」という住職の想いを取引先の第一通信社が預かり、大阪市北区に本社を置く放送機器のレンタル会社 はんぷ株式会社 に今回のオンライン配信システムの構築とオペレーションの相談があった。

オンライン配信を活用した新たな祭りのカタチ

時間と予算も限られた中での新しい試みだが、できる限り住職の希望に応えたいとの想いから、2 番組同時進行のライブ配信となった。配信は、寺社行事を配信する「寺社NOW」チャンネルでの番組と、アイドルユニット 963 が進行を務め、地域の方が親しみやすい番組「愛染さんTV」の 2 番組で行われた。

現場での必須要件としては、最小人数でオペレーションできるシステムであること。さらに 2 番組を同時並行でスムーズに進行させることを念頭に、ワンマンオペレーションが可能なシステムの検討、構築が求められた。

2 番組を同時に並列体制で操作

今回のシステムは、同時に並列体制で操作できるように、中核に NewTek 社のオールインワン・ライブプロダクションシステム TriCaster TC1 を 2 台配置した。コンテンツ収録には AJA 社のマルチチャンネル H.264 レコーダー Ki Pro GO、配信には TriCaster TC1 からのプログラムアウト (最終出力) を YouTube にH.264 ストリーミングするために配信デバイス HELO を使用した。

ワンマンオペレーションが可能なシステム

ライブ配信時に定期的にインサートされる VTR 素材は、オートプレイを活用して、できる限り間違いのないワンオペレーションを実現。テロップなどのグラフィックは、Adobe Photoshop で作成した素材を事前に TriCaster の GFX (静止画・デジタル素材・タイトルページ) チャンネル用にセットし、現場でのオペレーションを簡素化した。

また、ライブ配信後の再編集と関係者へのデータ納品用に、Ki Pro GO で実際のライブ配信映像をバックアップ含め収録。一般的な USB フラッシュメモリに記録できるため、イベント後に配信映像あるいは編集用のビデオ素材をその場ですぐに渡せる仕組みになっている。

Ki Pro GO は、最近のファームウェアアップデートにより収録時ビットレートが 25Mbps へ拡大、10bit 4:2:2 での記録が可能になり、高品質な H.264 のアーカイブ素材をクライアントに渡すことができるようになった。配信面では、HELO を 2 台使って 2 つの番組を YouTube 上で配信した。

追加要望やトラブル時にも対応できるシステム

システム全体で H.264/MPEG-4 ワークフローを一貫し、追加要望やトラブル時にも対応できるシステムで構築されている。たとえば Ki Pro GO での収録に加えて、バックアップやメディアコピー用途として、別のメディアに H.264 ファイルを記録したい場合、TriCaster あるいは HELO の収録機能で柔軟に対応できる。今回のシステム構成は、はんぷ株式会社でまとめてレンタルできるため、他の夏祭りや恒例行事のオンライン化にも活かせそうだ。

配信ワークフロー図

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関連 URL : 愛染まつりとは

• https://aizenmatsuri.osaka
• http://www.aizendo.com/festival.htm

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