株式会社 CyberBull が Video Suite で描く、インターネット動画広告の新マーケットルール
2018 年 8 月 29 日

現在、最も市場に求められている動画制作ビジネスであるインターネット動画広告。インターネットにおける広告の即時性、訴求効果を可能な限り得るためのリアルタイムな変更、修正への対応は、従来の映像制作プロセスでは対応できず、クライアントを十分に満足させることができませんでした。
CyberBull 社が独自開発・運営する "Video Suite (ビデオスイート)" は、従来の映像制作クオリティは残したままコンテンツの生産効率アップと広告効果のリアルタイムな検証、そして変更などを伴う柔軟な対応を最大化するためのシステムです。動画のメディアプランニングから、撮影・制作、そして Web 動画広告の効果検証など広告運用までの一貫したサービスを、最短即日というスピーディーな制作体制、かつ低コストで提供できる体制を実現されています。
- Video Suite の主な特長
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- 撮影 〜 編集、納品まで最短 1 日で実現!
- 動画広告コンテンツ月間約 1,000 本制作!
- 運用型 Web 動画時代のオートメーションツール
撮影以降のプロセスを自動化して生産効率アップ
撮影 〜 制作、運用まで、Web 動画広告の世界では、従来の映像制作 の体制のままでは、ワークフローとしては手間も時間もかかるものでした。Video Suite は映像制作のワークフロ一を、 Web 動画広告向けに最適化するために開発したツールです。
現段階では、撮影以降のプロセスをできるだけ自動化し、編集に至るプロセスをいかに効率化できるか?を実現したシステムになっています。特に QR コードをスレート代わりに映像に写し込み、そこから撮影情報のメタデータを読み出すアイディアは、 制作フローのスピードアップに大きな効果を生み出しています。
撮影の数秒後にはプロキシデータが転送され、その日のうちに仮編集までできてしまいます。さらに公開後の頻繁な市場の反応にも、動画内のカット変更・修正など、リアルタイムでフレキシブルな運用への効率性も高めてくれます。
特に撮影データを QR コード化するための、現場での入力画面の設計については最後までこだわりました。この精度により、撮影現場 の効率も大きく違ってきます。一番重要なのはそのテイクが OK / NG かどうかの識別です。現場ではカメラマンがカメラを設定すると同時に QR コードも生成、撮影しながらタブレット等で QR コードをかざすところまでをワンマンオペレーションで行っています。

ブランド事業部
クリエイティブディレクター
小野寺 学 氏
撮影現場情報を編集室でもリアルタイムに把握
私自身も従来通りの映像制作ワークフローに慣れていたので、 Web 動画広告に必要な即時性やレスポンスにあわせるのは難しいと感じていました。
Video Suite を導入後、制作フローでは特に撮影している間から、すでに編集作業が行えることは画期的でしょう。映像編集作業は Adobe Premiere Pro で行っており、ネット経由で送られて来た撮影素材のプロキシデータですぐに編集を始めることができます。
撮影終了後、本素材が上がってきた段階で編集が終わっていれば、あとは 720p のプロキシデータを 1080p の本データに差し替えるだけなので、とても楽です。 また CG やテロップ等が入る場合でも予めプロキシの状態で作業が進められるのは便利です。
さらに Web 動画広告の場合、最初の動画をサイトにアップしてから市場のレスポンスによって、カットの差し替え作業などが頻繁に発生します。そのため通常の映像作品より多い撮影素材を撮っておく必要があります。その素材管理と変更作業も Video Suite ではとても効率的かつスピーディーに行うことができます。

クリエイテイブ局
シニアエディター
中村 将 氏
Video Suite とファイルオートメーション
システム全体のデザインを担当しました。Video Suite は、専用開発を最小限に留め、既存製品を効率よくインテグレートすることによって、より自由度の高いシステムを目指しました。
全体的な流れとしては、収録現場で QTAKE が生成したプロキシデータを収録直後にネット経由で本社に送信し、本社側の QR ディテクターで処理、書き出されたメタデータを含む XML を CatDV Worker が素材データベースに登録すると同時に、SPACE にデータをコピーします。こうした一連のファイルの移動は間に人の手が介在しなくても自動で実行されるようにシステムをデザインしました。
実際に Video Suite では、カメラの録画ボタンを押してからデータベースにファイルが登録されるまでの全ての工程が自動で行われるようになっています。人が処理をしなければいけない部分も、最小の操作で済むように心がけました。

株式会社リ一ンフェイズ
システム設計プログラム・SI 担当
片田江 順 氏
QR クリエイター / QR ディテクターについて
撮影から編集までを効率化するベースとなる、QR コード作成システム「QR クリエイター」「QR ディテクター」を開発しました。
撮影時にスマートフォンやタブレットで QR コードを表示、それをスレート (カチンコ) 代わりに各カットの前後に入れて、撮影情報のメタデータを画像として記録します。「QRクリエイター」は撮影時に撮影用メタデータを簡単に入力し、即時 QR コードを生成するプログラムで、カット毎の最後にそのテイクの OK / NG を表示し、編集時の判断に使用します。
「QR ディテクター」は、編集室に送られたプロキシの映像の QR コードから、自動的にメタデータを解析・抽出して XML のファイルを生成するもので、カット番号、OK / NG などを編集時の各データの識別情報として活用できるようにしています。また QR コードを読み取る際、表示の向きが違っても検出工ラ一を起こさないように補正処理も行いました。

株式会社システム計画研究所 / ISP事業本部
第 2 セグメント マネージャ
井上 忠治 氏
- 導入機材
- AJA Io XT
- IN2CORE QTAKE HD
- GB Labs SPACE+
- Square Box Systems CatDV Server / CatDV Worker / CatDV Client
- Telestream Vantage
Video Suite のメリット
- 撮影現場と編集室をシームレスに連携
- QR コードで撮影情報を一括管理
- 膨大な映像素材を一元管理
- 制作フロー全体の効率化・自動化
技術ポイント
- QR クリエイター / ディテクターによるメタデータ解析
- QTAKE による、ProRes 422 HQ / H.264 プロキシ同時収録
- プロキシファイルを VPN + FTP 転送
- SPACE NAS 共有ストレージシステム
- CatDV による自動化と素材管理
- Vantage を利用したトランスコードシステム