AJA 社、FS-HDR に Colorfront Engine 「TVモード」を搭載

AJA Video Systems 社は、Colorfront Engine 社のビデオ処理機能を搭載したリアルタイム HDR/WCG コンバーター/フレームシンクロナイザー FS-HDR の v4.2 ファームウェアを発表しました。

今回の無償ファームウェアアップデートでは、Colorfront の最新のカラーサイエンスの進歩を活用した新しい「Colorfront TVモード」の追加や、ARRI LogC4 トランスフォームへの対応、FS-HDRを より強力にする Live モードと Film モードの強化が行われています。

BBC LUT は v1.6 にアップデートされ、ライブプロダクションのカメラシェーディングで使用できる新しいコンビネーション LUT や、CAM (Color Appearance Model) に基づいた新しい LUT が追加されました。

カラーマネジメント戦略の進化に伴い、その戦略を現実の世界で促進するために必要なツールも進化しています。FS-HDR の新しい TV モードは、放送業界のワークフローに向けたシンプルに使用できるカラー処理エンジンです。カラー変換の重要な要素をこれまで以上に詳細にコントロールできる新しいツールをオペレーターに提供します。

輝度、ハイライト、スーパーハイライト、色彩の各ツールを使用すると、ユーザーは Colorfront の知覚処理アルゴリズムの範囲内で、より正確な補正が可能となるため、ハードクリッピングによるアーティファクトの発生は抑制され、知覚される色、色相、彩度を維持できます。また、TV モードでは、現代のライブプロダクション用途で活用できる Sony S-Log3 変換も利用可能です。

FS-HDR の Colorfront Live モードと Film モードもさらにバージョンアップしています。ARRI 社が ALEXA 35 カメラの発売と同時に公開した最新のカラーサイエンスに基づく ARRI LogC4 の変換にも対応しました。ARRI LogC4 を使用すると FS-HDR の Live モードと Film モードの両方で、この新たなカラースペースと、より広い範囲を包括するカラースペース間での変換が行えます。

BBC HLG LUT も 最新バージョン 1.6 にアップデートされました。コンビネーション LUT は、2 つの LUT を 1 つに統合しカメラシェーディング用途で使用できます。ダウンマッピング LUT は、Color Appearance Model (CAM) や人間の視覚システムに基づいて設計されていて、オリジナルの HDR コンテンツの芸術的意図を保持するのに役立ちます。

AJA 社、社長 Nick Rashby 氏は次のように述べています。

「カラーサイエンスの技術は常に進歩しており、カラーを管理するツールもそれに合わせていく必要があります。私たちは、映画やテレビの最新のカメラワークフローや要件を満たすために FS-HDR の対応範囲の拡大に取り組んでいます。新しいファームウェアは、既存の包括的な機能セットに魅力的な機能を追加します。」