AJA 社、12-bit RGB に対応した Desktop Software と SDK v16.2 を発表

AJA Video Systems 社は本日、KONA、Io、T-TAP Pro 製品向けソフトウェア Desktop Software v16.2 と、開発者パートナー向けソフトウェア開発キット AJA SDK v16.2 を発表しました。豊富な機能を備えた今回のバージョンにより、さまざまなワークフローを強化します。最新の macOS に対応、新たに OBS Studio との互換性を追加、4K/UltraHD ワークフロー向けに 12-bit、444、RGB と LUT 機能が向上されました。

AJA Control Room では新しいコーデックと高度なプレイバックに対応し、マルチチャンネルオーディオのサポートも拡張されています。

今回のリリースは、新たに AJA の製品ラインアップに加わった Io X3 にも対応します。Io X3 は、Thunderbolt™ 3 接続でキャプチャーおよび出力が行えるモバイル入出力デバイスです。

Desktop Software v16.2 は、本日より AJA のウェブサイトから無料でダウンロード可能で、macOS Monterey と Windows 11 に対応しています。

バージョン 27.2 以降の OBS Studio を実装したシステムに Desktop Software をインストールすれば、選択した AJA デバイスで、マルチチャネルまたはシングルチャネルのキャプチャーと、最大 4K/UltraHD 30p および 2K/HD 60p の切り替えが行えるようになります。

OBS Project のコア・コントリビューター、Colin Edwards 氏は以下のように述べています。

「OBS Studio 向けの新しい AJA プラグインのリリースにより、OBS でプロレベルの放送ワークフローを実現するための選択肢の幅が広がります。このプラグインは、放送用ハードウェアを使用する際の信頼性とカスタマイズ性において、新たな業界標準となるでしょう。AJA 社は SDK とドライバのソースコードをオープンソース化しました。これは他のハードウェアメーカーにとって模範となるでしょう。今回のアップデートの実現に協力してくださった AJA 社エンジニアの皆さんに感謝しています。」

Desktop Software v16.2 が新たに対応した 12-bit、4:4:4、RGB により、正確な色と鮮やかさが求められる 4K/UltraHD ワークフローを非常に柔軟に構築できます。KONA 5 および Corvid 44 12G では、キャプチャーからカラースペース変換、そして出力に至るまでの全工程で、フル 12-bit のパイプラインを実現します。AJA のハードウェア製品と、色調整およびマスタリング用のサードパーティー製アプリケーション間での互換性はさらに向上します。これを実現するために .cube フォーマットをアップグレードし、12-bit および 10-bit LUT に対応しました。

AJA Control Room ソフトウェアを含むワークフローの選択肢も拡張されます。H.264 および H.265 のキャプチャーとプレイバックは、最大 2K/HD 60p まで行えるようになり、タイムコードとクローズドキャプション (CC) にも対応しました。さらに、モバイルデバイス、PC、AJA Ki Pro GO 用メディアと、よりシームレスに互換します。さらに今回のリリースでは、Control Room にディープメモリバッファ機能が新たに追加されました。ストレージまたはネットワークにボトルネックが発生し、ストレージからビデオ出力ホストへ送られるデータ通信が中断してしまった場合でも、データの品質と安定性を維持したままプレイバックを継続します。

Io X3 で新たに追加された MultiView 機能を使えば、最大 4 系統の SDI 入力ソースを外付けの HDMI モニター 1 台で確認できます。Telestream Wirecast や OBS Studio を使用したマルチチャネルワークフローで、映像の確認がより確実に行えます。

AJA SDK を利用するには、従来は AJA 開発者プログラムへの加入が必要でしたが、v16.2 からはオープンソース経由で利用できるようになりました。設計、開発している製品に AJA 社の強力なテクノロジーの組み込みを検討している開発者向けに、複数の選択肢を提供します。

SDK v16.2 には、KONA 5、Corvid 44 12G、Corvid 88、Corvid 44 での 64/32 オーディオチャネルへの対応など、数多くの新機能が追加されています。複数の SDI リンクを介して、最大 64 チャンネルのオーディオをチャンネル毎に取り込み、出力可能になりました。この機能は、22.2 ch オーディオのマスタリングが必要な最新の 8K ワークフローに最適です。

AJA Video Systems 社、社長 Nick Rashby 氏は以下のように述べています。

「Desktop Software は v16.2 で大幅にアップデートされました。ポストプロダクション作業やモニタリング作業の際に、より広い色深度で最高精度の忠実度を保ち、望ましい外観に映像を作り込むプロダクションにとって、12-bit カラーへの対応は重要です。Desktop Software と SDK v16.2 により、当社の既存製品 KONA、Io、Corvid、T-TAP Pro と新製品 Io X3 は、12-bit RGB に対応し、また、複雑なワークフローを合理化する新しい機能も追加されています。また、AJA SDK の公開により、全世界のオープンソース開発者の意見を取り入れられます。これにより技術が刷新され、業界をさらに推進させるでしょう。」