デジタルトランスフォーメーションやメタバースに特化したコンテンツサービスを提供する アイ・ペアーズ株式会社 (以下 : アイ・ペアーズ)。2012 年の設立当初は音声・音楽事業を中心に展開していたが、近年では映像や CG 制作に力を入れ、バーチャルキャラクターのライブ配信や、モーションキャプチャーを活用したコンテンツ制作、映像編集など、提供するサービスの領域を大きく広げている。

同社オフィス (東京都新宿区高田馬場) には、グリーンバックや LED ウォール、カメラトラッキングシステムなど、最新のバーチャルプロダクション機材が完備された自社スタジオ『i-Base』 が併設されており、キャラクターや VTuber を使ったライブ配信、セミナー・イベントの開催、技術検証など多岐にわたる用途で活用されている。今年の春には、同スタジオにリアルタイム映像制作用のオールインワンスイッチャー『Vizrt TriCaster® 2 Elite』と、AV over IP ワークフローの拡張を可能にする『Vizrt NC2 Studio I/O モジュール』を導入。さらに充実したコンテンツ制作環境を整え、クライアントの多様なニーズにクオリティ高く応える体制を強化したアイ・ペアーズを取材した。

関連情報

TriCaster® は、イベント、ライブ放送、ストリーミング放送、社内会議、セミナー、企業ビデオ、商品説明などの様々なコンテンツ配信に利用できます。ネットワークに繋げるだけで、簡単に番組制作、ライブストリーミング配信、配信しながら同時収録も可能です。

導入製品
Vizrt TriCaster® 2 Elite
Vizrt NC2 Studio I/O モジュール

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アイ・ペアーズ、AV over IP 技術を使った実写と CG の融合で、新しいコンテンツ制作に挑戦

コンテンツ制作の次世代プロバイダー、アイ・ペアーズ

デジタルトランスフォーメーションやメタバースに特化したコンテンツサービスを提供する アイ・ペアーズ株式会社 (以下 : アイ・ペアーズ)。2012 年の設立当初は音声・音楽事業を中心に展開していたが、近年では映像や CG 制作に力を入れ、バーチャルキャラクターのライブ配信や、モーションキャプチャーを活用したコンテンツ制作、映像編集など、提供するサービスの領域を大きく広げている。

創業からのポリシーである「学園祭前夜のワクワク感をサービス企画やコンテンツ制作で追求し、エンドユーザーに支持されるコンテンツやプロモーションを実現する」を基盤に、クリエイティブな制作の全般をカバーできる技術力と人材が特長的な会社だ。

特に、キャラクターの IP (知的財産権) を保有した企業や、その間に入る広告代理店からキャラクターの運用をサポートする立場として制作依頼を受けることが多く、他にも「IP キャラクターをどう活用すれば良いか分からない」と言った悩みを抱える企業から問い合わせを受け、キャラククターコンテンツの CG 制作から運営までをサポートするケースも多い。

同社オフィス (東京都新宿区高田馬場) には、グリーンバックや LED ウォール、カメラトラッキングシステムなど、最新のバーチャルプロダクション機材が完備された自社スタジオ『i-Base』 が併設されており、キャラクターや VTuber を使ったライブ配信、セミナー・イベントの開催、技術検証など多岐にわたる用途で活用されている。今年の春には、同スタジオにリアルタイム映像制作用のオールインワンスイッチャー『Vizrt TriCaster 2 Elite』と、AV over IP ワークフローの拡張を可能にする『Vizrt NC2 Studio I/O モジュール』を導入。さらに充実したコンテンツ制作環境を整え、クライアントの多様なニーズにクオリティ高く応える体制を強化したアイ・ペアーズを取材した。

取材協力いただいたアイ・ペアーズの皆さん

田中 克典氏
  • 取締役 ライブビジュアライゼーション事業部 事業部長
  • 田中 克典氏
安居 顯太朗氏
  • ライブビジュアライゼーション事業部 映像制作グループ マネージャー
  • 安居 顯太朗氏
寺尾 昂祐氏
  • ライブビジュアライゼーション事業部 テクニカルグループ マネージャー
  • 寺尾 昂祐氏
曽根 貴了氏
  • 開発部 マネージャー
  • 曽根 貴了氏

バーチャルキャラクター配信の最前線で活躍が期待される存在に

バーチャルキャラクター配信の最前線で活躍が期待される存在に

アイ・ペアーズは、バーチャルキャラクター関連など、年に10本以上のライブ配信事業に携わっている。クライアントの制作現場へ機材を持ち込む場合だけでなく、自社スタジオでの制作案件や検証作業をより効率的に行うために、映像制作システムの更新を決意。映像ソースの取りまとめや切り替えが迅速にできる機材を検討した結果、2024年春に、以前から他の制作現場で目にする機会の多かった Vizrt 社のライブスイッチャー製品『TriCaster 2 Elite』と、ビデオ信号の IP 化で活用できるコンバーター製品『NC2 I/O モジュール』の採用が決まった。

アイ・ペアーズの導入している技術や製品

NDI IP 映像伝送プロトコル

『NDI (ネットワーク・デバイス・インターフェイス)』は、米国の Vizrt (旧 NewTek) 社が開発した IP 伝送プロトコルだ。一般的なギガビットイーサネット環境下で、TriCaster や NC2 などの Vizrt 製品同士だけでなく、NDI 互換のさまざまな映像、音声、メタデータをリアルタイムに相互伝送できる。このテクノロジーにより、IP を活用した次世代のライブ映像制作ワークフローが実現されている。

Vizrt TriCaster 2 Elite IP 対応ライブプロダクションシステム / スイッチャー

Vizrt 社の TriCaster シリーズは、複数のカメラから入力されたライブ映像に編集・加工・合成などを加え、最終的にインターネットでライブ配信したり、内蔵ストレージに配信映像を保存したり、あるいは演出用の動画素材をビデオ再生して利用することも可能なオールインワン・ライブ映像制作システムだ。多種多様な演出をシステム内で可能にする映像合成ツールと、幅広い製品ラインナップから使用用途に応じて選択できるのが特徴的な製品シリーズである。

Vizrt NC2 I/O モジュール ビデオ信号 ⇆ IP ネットワーク変換用デバイス

NC2 は、従来のビデオ機器と IP ネットワーク機器をシームレスに接続し、効率的な映像制作環境を実現する。アイ・ペアーズは、Vizrt TriCaster 2 Elite と同時に NC2 も導入したことで、映像信号と IP ネットワーク間の変換をスムーズに行えるようになり、複数拠点からの映像収集と編集が可能になった。これにより、ライブ配信のクオリティを大幅に向上することに成功している。

アスク・エムイーTriCaster 2 Elite と NC2 の運用方法について教えてください。

寺尾氏基本的にこのシステムを使うのは、弊社のライブビジュアライゼーション事業部や制作部のメンバーですね。TriCaster 2 Elite と NC2 は、専用ケースに収納すれば持ち運びも簡単なので、クライアント様の制作現場に持ち出す機材セットとして運用するつもりです。あと社内利用では、TriCaster 2 Elite を設置したオフィスの別室をスタジオ i-Base の副調整室のような形で運用しようと思っていて、i-Base での制作案件や検証では、映像ソースの取りまとめ・切り替えに TriCaster 2 Elite と NC2 の組み合わせを使いたいと考えています。

機材を持ち込む外部の制作現場では、映像叩き用のスイッチャーとして TriCaster 2 Eliteを使い、NC 2 でカメラ映像を集約させて NDI ソースとして各所に展開すると言った使い方を想定しています。

曽根氏他にも、PC にプラグイン (NDI Tools) をインストールすれば、Adobe Premiere Pro で作成した素材を NDI 経由で TriCaster 2 Elite に送り込むことができます。このフローを組めれば、ライブ配信にテロップやコンテンツを挿入しやすくなるので、実際の制作現場でも試してみたい運用方法ですね。

アスク・エムイー導入機材を検討する際には、どのようなポイントを重要視して製品を選びましたか?

寺尾氏今回の機材選定で重視した条件は、”持ち運びに適しているかどうか” でした。自社スタジオで組んだシステムを、そのまま外に持ち出せる体制が取りたかったので、他製品も見ながら検討を進めていました。ただ、どうしても機能性を求めると大きなサイズのモデルが多くて…。TriCaster2 Elite が持つ多機能さと、パッと外に持ち出せるコンパクトなサイズ感が採用の決め手になりましたね。

安居氏弊社の事業は、クライアント様の要望に合わせて案件の規模や制作内容が大きく変わるので、あらゆる状況に対応できる柔軟な機材を求めていました。現場で出たリクエストに対応できる “即応性” を備えた TriCaster 2 Elite が、一番弊社にマッチした製品だったと思います。

曽根氏特にバーチャルキャラクターのライブ配信では、背景とキャラクターを別々にレンダリングする必要があります。弊社の制作現場では、案件によっては多くの映像ソースを使用するため、e スポーツ関連の制作現場で実績があり、映像制作向けの接続端子を十分に備えている TriCaster 2 Elite が最適な選択だと感じました。また、IP 伝送規格の NDI と統合できる点も、採用を決める大きな要因となりましたね。

IP 対応ライブスイッチャーで機材運用を効率化、演出やコンテンツの品質を高める制作体制を実現

IP 対応ライブスイッチャーで機材運用を効率化、演出やコンテンツの品質を高める制作体制を実現

これまでアイ・ペアーズの制作システムでは、使用する素材や映像ソースごとに複数台のスイッチャーを用意していた。さらに、コンバーターも各スイッチャー用に手配していたため、機材管理が複雑化するだけでなく、トラブルが起きた際の切り分けも困難になっていた。そのため、制作プロセスに多くのリソースを割かざるを得ない状況であったが、今回の機材更新で TriCaster 2 Elite を中心とした NDI 活用システムを組めたことが、機材運用の効率化に一役買っていると担当者は話している。

アスク・エムイーTriCaster 2 Elite で気に入っている機能や、導入して良かったと感じる点について教えてください。

安居氏接続性の優れた TriCaster 2 Elite と、IP 化の拡張に便利な NC 2 の組み合わせが、制作に使用するソース数をほぼ限りなく増やせる体制を整えてくれました。NDI を統合しやすい Vizrt 製品を導入したことで、配線周りもシンプルになり、ポータブルかつケーブルの引き回しにも簡単に対応できるシステムが組めたと思っています。

加えて、Unreal Engine が NDI に対応していることも大きなポイントですね。これにより、Unreal Engine で作成したグラフィックスやコンテンツを、NDI 経由で他の NDI 対応デバイスに簡単に共有できるようになります。CG 制作を多く手がける弊社にとって、NDI によって CG コンテンツをライブ配信や映像制作にスムーズに統合できるようになり、より高度な映像制作が可能になると期待しています。

曽根氏TriCaster 2 Elite は多機能にも関わらず、操作性が高く、特に直感的に触り易いユーザーインターフェースがお気に入りポイントです。ターンキーならではの “安心感” もありますね。テロップ出しや映像クリップの再生など、基本的な操作は TriCaster 2 Elite 一つを触ればすべて対応できるので、これさえ持って行けば大丈夫!という頼もしさを感じています。

アイ・ペアーズは、TriCaster 2 Elite と NC2 を活用した映像制作システムによって、機材周りのマネジメントを簡易化しつつ、コンテンツや演出のクオリティを高める制作体制を整えることに成功している。また、TriCaster シリーズの中でも高い性能と柔軟性を兼ね備えたフラッグシップモデル TriCaster 2 Elite を導入したことで、クライアントの多様なニーズに応えながら、これまで受けていた以上に大規模な配信案件にも対応できる力を手に入れることができた。

技術と創造力を駆使し、クライアントと共にビジネスを成長させ続ける企業へ

技術と創造力を駆使し、クライアントと共にビジネスを成長させ続ける企業へ

アスク・エムイー今後期待している TriCaster 2 Elite の機能や運用方法があれば、教えてください。

安居氏TriCaster 2 Elite の製品トレーニングを受けた際に、レイヤリングの自由度の高さと、自分達でトランジションを作れる仕様が面白いと感じました。今後どこまで案件に落とし込むかはまだ分かりませんが、こんなことまでできるのか!と思える拡張性が、TriCaster 2 Elite の導入を楽しめている理由だと思います。

他にも、グリーンバックを使った CG 合成やキーイングの精度が予想以上に高かった点も、今後の運用に何か使えそうで期待が高まっていますね。

田中氏TriCater 2 Elite の即座にトランジションやレイアウトの変更ができる即応性と、ソース数や演出手法を広げられる拡張性は、今後のバーチャルライブ案件で欠かせない存在になるだろうと確信しています。弊社が担当している大規模なバーチャルライブ案件ですと、イベント会場の観客用スクリーンには CG キャラクターとバーチャルステージを映して、その手前では実写のバンドグループが演奏をしている形で映像演出を任されることがあります。基本的にすべての映像ソースをライブスイッチャーに取り込むのは、イベントの開催当日が多いです。つまり、現場入りして初めてカメラやバンドマンの位置、会場の空気感など、最終的な会場演出の仕上がり (見た目) を把握できます。

そうなると、予定していなかった画面構成やトランジションの変更 / 追加など、リハーサルを見ながら最終的な演出に落とし込んでいくケースが多いので、ライブの空気感に合わせて即座にアイディアを演出に落とし込める TriCaster 2 Eliteは、今後のバーチャルライブ制作でも重宝することになりそうです。

アイ・ペアーズは、AV over IP 技術を取り入れたことで、物理的なケーブルの接続を最小限に抑え、複数のデバイス間で高品質のメディアを簡単に共有できる制作環境を実現した。今後は、社内でのシステム検証を進めるとともに、外部のプロジェクトにも積極的に取り入れていく予定だと話している。

創造的な表現の幅を広げるための強力なツールを取り入れ、クライアントの ”やってみたい” を叶えられる制作システムを実現したアイ・ペアーズは、今後もその技術と創造力を駆使し、クライアントと共にさらなるビジネスを成長させていくだろう。

取材協力

i-Pairs

販売元

Mitomo

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