「市民が気軽に映像、テクノロジーに触れるきっかけを作る」をコンセプトに地域貢献の一貫として誕生した waiwai PLAY LAB (ワイワイプレイラボ)。そのメインスタジオでは、TriCaster Mini 4K をソースや送出先の結節点として導入し、CG 合成や動画収録で活用している。
関連情報
TriCaster® は、イベント、ライブ放送、ストリーミング放送、社内会議、セミナー、企業ビデオ、商品説明などの様々なコンテンツ配信に利用できます。ネットワークに繋げるだけで、簡単に番組制作、ライブストリーミング配信、配信しながら同時収録も可能です。
waiwai PLAY LAB
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TriCaster を使った
最新活用事例
TriCaster は、オールインワン・ライブプロダクション・システムです。
株式会社ケーブルメディアワイワイは、宮崎県の延岡・日向エリアを中心に、放送事業、電気通信事業、番組制作、電力小売、広告・出版事業など幅広いサービスを提供するケーブルテレビ局だ。
同社は、地域に開かれた、映像やテクノロジーに触れられるハブとなることを目指して、waiwai PLAY LAB を 2022 年 3 月にオープンした。同スペースのメインスタジオには「TriCaster Mini 4K」が導入され、その中核を担っている。導入の経緯や使用状況についてケーブルメディアワイワイ メディア局の山元拓朗氏にインタビューした。
「映像、テクノロジーに触れてもらう」場、waiwai PLAY LAB
延岡駅の目と鼻の先の好立地に位置する waiwai PLAY LAB は、「市民が気軽に映像、テクノロジーに触れるきっかけを作る」をコンセプトに地域貢献の一貫として誕生した。新たに何かを生み出す地域の核となるために、以下の 3 つの目標を山元氏は挙げた。
- 市民が発信者となる裾野をつくる
- 地域の魅力を発信できるクリエイターを育てる
- 地域の賑わいの活力づくり、ゆくゆくはカルチャーとして根付かせる
先述のコンセプトにあるように waiwai PLAY LAB は、まさに最新のテクノロジーに触れられる施設となっている。主要な 4 スペースの構成と役割を紹介しよう。
待ち合わせやイベントスペースなど多目的に利用できる「オープンラボ」、VR/AR などデジタルコンテンツや最新テクノロジーに触れられる「アミューズラボ」、ケーブルテレビサービスの「ショールーム」、収録や配信設備を完備し、レンタル可能で大きさの異なる 3 部屋の「ラボスタジオ」だ。そして TriCaster Mini 4K はラボスタジオに核となる機材のひとつとして導入された。
ケーブルメディアワイワイの局ではブロードキャスト業務に最適化された大型の、いわゆる本格的なスタジオ収録機器が導入されているが、ラボは局に比べスペースに限りがある。導入する機材もコンパクトで最大限パフォーマンスを実現できることが望ましかった。また、当初からスタジオを貸し出す想定だったため、誰でも使いやすい操作性や視認性の高さも求められる。これらの条件を満たしたのが、TriCaster Mini 4K だ。
TriCaster Mini 4K の「ネットワークケーブルを介して IP 化された映像を取り込めるため映像の自由度が高い」、「収録、配信、合成、何でもできる」、「少数の人員でも操作が可能」といった特長がラボへの導入の決め手になった、と山元氏。さらに、TriCaster が得意な合成や配信と相性の良い eSports のプレイヤーが社内に在籍していたり、将来性のある 4K が扱える点もポイントになったという。
TriCaster Mini 4K が映像と音声の核
TriCaster Mini 4Kが導入されたスタジオ全体の構成について紹介しよう。
TriCaster Mini 4K が接続された PoE スイッチは、LAN ネットワークを構成しており、4 台の NDI 対応カメラ、カメラ制御用のリモートコントローラー、テロッパー用の PC、リモートアクセスポイント、NDI から HDMI に変換するコンバーターが接続されている。コンバーターの先には HDMI の分配器が接続されていて、施設内外に映像を送出できる。映像周りをこれだけシンプルな構成にできる理由は、TriCaster Mini 4K が NDI に対応しているからだろう。NDI は LAN ネットワークで各機器を簡単に接続できるという特長があるのだ。
さらに TriCaster Mini 4K には、配信やプレビュー画面を確認するためのモニター、音声用のミキシングコンソールが繋がっている。ミキシングコンソールの先は、CD プレイヤー、スタジオや編集室のマイク、スタジオ、トークバック、サブといったスピーカーとなっている。つまり TriCaster Mini 4K の持つ接続の柔軟性の高さが、ソースや送出先の結節点として活かされている。
動画の収録や制作をプロと一緒にできる安心感
waiwai PLAY LAB の利用者とその目的も多様だ。TriCaster Mini 4K が導入されたスタジオには、施設視察のために訪れた行政関係者、動画撮影の場所として使用した市民団体、TriCaster の操作方法を覚え自社内での映像制作を目指す一般企業、番組制作体験をしにくる小学生から高校生までの学生など様々な人たちが訪れる。
利用者には好評で、「近隣に同規模の貸しスタジオが無かったので重宝している」「動画の収録や制作をプロと一緒に確認しながら進められて安心感がある」「達成感を得られる」などの意見をもらっているという。また、利用者も着々と増えており、市外から訪れる方や、繰り返し遊びに来てくれるお子さんもいるとのことだ。これまでなかなか接点のなかった若い世代へのアプローチという当初の目的に適った使われ方もされていて、運営する立場の山元氏としても満足度は高いという。
若い世代への訴求イベントとして、夏休み期間中に合わせて開催された「ラボまつり」では、TriCaster の合成機能を使って CG による「映える」背景に入って撮影ができるフォトスポットが用意された。楽しんでくれた来場者が多く、今後も季節に合わせたイベントに TriCaster Mini 4K を活用していく予定だ。そのほか、VR アートを手掛ける「せきぐちあいみ」さんをゲストに招き、合成で VR アートを背景にしながら作品について語ってもらったトークイベントでも TriCaster Mini 4K は活躍したという。
「TriCaster はできることが多く、まだまだライトな使い方しかできていない」と控え目に語る山元氏だが、同時に「TriCaster の新しい機能を他のスタッフと一緒にゲーム感覚で覚えている」と楽しみながら社内教育を実践されているとも教えてくれた。山元氏は TriCaster を、「番組制作経験がなかったりアルバイトの社員であっても、楽しみながらすぐ覚えられて使いやすい」、「セッションの複数保存ができて、レンタル業務での利便性が高い」、「お客様にデモンストレーションする際にお客様の意見をリアルタイムに反映でき、イメージを持ってもらいやすい」等、高く評価している。特に使いやすさという点からは、利用者のデジタル機器に対する抵抗をなくしてもらう一助になっていると感じているそうだ。
利用者側にも運営側にも好評な TriCaster だが、waiwai PLAY LAB には課題もある。映像線は IP 化できた一方で、音声のラインはアナログが採用されているため、編集用の素材収録に使用する場合にはリップシンクの手間が発生してしまっているのだ。山元氏は、もともと TriCaster はそのような用途で使用するように設計されていないとは分かっていながらも、映像と音声を簡単かつ正確に合わせられるような新しい技術の登場を期待しているとのことだ。
市民が「発信者」となる裾野に
今後の活用予定として山元氏は、「現在はまだ行っていない映像配信に挑戦したい」、「eSprots イベントを waiwai PLAY LAB で開催し会場内の大型 LED スクリーンに TriCaster で合成された映像を写したい」と語ってくれた。同ラボに設置されたLEDスクリーンやプロジェクターにイベントの様子を映し出せば、相当の盛り上がりになるだろう。
都会と地方の情報格差が問題視される昨今ではあるが、waiwai PLAY LAB のように市民に開かれた多目的施設の存在は、市民自身による情報発信のきっかけや後押しとなり、そのギャップを埋めて余りあるものにすると期待せずにはいられない。
導入製品
取材協力
waiwai PLAY LAB
- URL : https://waiwaiplaylab.com/
- Twitter : https://mobile.twitter.com/waiwaiplaylab
- YouTube : https://mobile.twitter.com/waiwaiplaylab