北海道を中心にライブ配信を行っているリバービレッジクリエイトは、2022年10月30日(日)に開催された「HOKKAIDO PHOTO FESTA 2022」のポートフォリオレビュー最終審査会、審査発表、さらに授賞式で「TriCaster Mini」 を初めて実践投入した。
同チームは農業関連のイベントから講演会、表彰式、音楽やゲーム関連のイベントといった様々な配信をはじめ、放送局の外部技術スタッフとして携わるなど、非常にユニークな活動を行っている。TriCaster Mini の使用直後、これまでの課題や導入後の感想など生の声を取材した。

関連情報

TriCaster® は、イベント、ライブ放送、ストリーミング放送、社内会議、セミナー、企業ビデオ、商品説明などの様々なコンテンツ配信に利用できます。ネットワークに繋げるだけで、簡単に番組制作、ライブストリーミング配信、配信しながら同時収録も可能です。

TriCaster Mini で写真展の審査会・審査発表・授賞式をオンライン配信

リバービレッジクリエイト

導入機材
TriCaster Mini Advanced R2 HDMI

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北海道でライブ配信を行っているリバービレッジクリエイトは、代表の川村 幸広氏(以下、川村氏) と八木 雅和氏 (以下、八木氏) が主要メンバーとなり活動している。2010 年に札幌で開催された、全国農業青年交換大会の Ustream 配信がきっかけで結成された。ライブ配信のディレクションやオペレーション業務、配信・機材に関する技術協力など、北海道では知る人ぞ知るライブ配信チームである。

もっとも特徴的なのは、農家が本業であることだ。しかし、これまで携わったライブ配信は、農業関連のイベントだけではない。札幌をメインに、道内の講演会や表彰式、音楽やゲーム関連のイベントなど、あらゆるジャンル・環境で配信経験がある。10 年以上にわたる経験から、企業・各種団体のライブ配信を任されることが多く、放送局の外部技術スタッフとしてオファーを受けることもあるという。

試行錯誤の末にたどり着いた、新しい配信環境

リバービレッジクリエイトは、2010 年にパソコンと Web カメラを使用して行った Ustream でのライブ配信を皮切りに、配信用の機材・システムを常にアップデートし続けている。当時に比べて、配信に関する製品やシステムの選択肢は随分と増加。そんな中、現在リバービレッジクリエイトの活動に最適な機材として、NewTek社の「TriCaster Mini」が導入された。

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TriCaster Mini は、オールインワンのデスクトップ型ライブ映像制作・配信システムだ。コンパクトなデスクトップ型筐体、配信用に最適化されたコントロールサーフェス、そして堅牢性の高い持ち運び用のキャリングケースがバンドルセットになっている。導入した結果、これまでの課題を解決し、さらに今後の展望を広げることができたと両氏は話す。

川村氏「会場が毎回変わるため、配信用の機材一式を都度組んだり、バラしたりするのが当たり前です。そのため、できるかぎり機材量を少なくし、コンパクトにパッケージすることが常に課題となります。バンドルセットは機材の準備と撤収時間を大きく減らすことができ、専用キャリングケースは可搬性と機動性をもたらします。」

八木氏「配信現場では機材トラブルが生じる可能性が非常に高く、複数メーカーの製品があると、機材の問題がどこにあるのか判別しにくくなります。 TriCaster シリーズは配信機材としての歴史が長く、単一メーカーで構成されたバンドルセットは非常に安心です。」

ギャラリー空間でのオンライン配信

「HOKKAIDO PHOTO FESTA」 (以下、HPF) は 2018 年に、写真家である大橋英児・実行委員長(以下、大橋氏)と道内の写真家たちが、「写真家の目を通して北海道を再発見し、新しい時代に繋いでいく」という志のもとで立ち上げた。2019 年から表現としての写真を学び、語らい集う場としてポートフォリオレビューが開催されている。2021 年にはオンラインで開催され、非常に大きな反響となり世の中に広がっていった。2022年10月29日と30日にはポートフォリオレビューと審査会が行われ、最終審査会・審査発表・授賞式のオンライン配信をリバービレッジクリエイトが担当した。

会場は、彫刻家イサム・ノグチがデザインした、札幌市のアートパーク「モエレ沼公園」内にあるガラスのピラミッド。文化活動の拠点となるこの施設では、音楽やダンス、美術の展覧会に利用できるギャラリー空間が用意されているが、配信用の設備は用意されていない。そのため、配信機材一式を会場に持ち込んでライブ配信に挑んだ。

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ライブ配信機材の中核として、 TriCaster Mini が使用された。デスクトップ型筐体は、4 系統の HDMI ビデオ入力と 2系統の HDMI ビデオ出力端子が搭載された「TriCaster® Mini Advanced R2 HDMI」だ。また同製品は、4 系統の HDMI ビデオと 8 系統の NDI ソースの中から、最大 6 系統の映像ソースを選択して使用でき、最大 6 レイヤーを合成することができる。
今回は配信用の映像ソースに、登壇者のバストアップと登壇者やプロジェクターの照射映像を広角で収めるカメラとして SONY社の「PMW-EX1R」を 2 台、そして会場の全体像を映す俯瞰カメラにパナソニック社の「 AG-UMR20/AG-UCK20GJ 」を使用。 音声には会場からのライン音声と、ワンポイントステレオマイク1本、インカム、 AG-UCK20GJ (収録用) が使用された。

TriCaster Mini を初めて実践投入した生の声

大橋氏に、リバービレッジクリエイトへ依頼した経緯と、実際にライブ配信を視聴した感想を伺った。

大橋氏「写真家のイベントなので、画質を気にしていました。実際のところ、配信映像の画質はとても綺麗でしたね。また、複数台のカメラを使用した映像の切り替えや見せ方について、専門家にお願いしたのは成功でした。今後も、ぜひオンライン配信を活用していきたいです。」

HPF 2022 の配信機材・システムとして TriCaster Mini を使用した感想を、川村氏と八木氏は次のように語る。

川村氏「TriCaster Mini は、同一メーカーでのバンドルセットで構成されています。そのため、機材の設置や設定は簡単にできました。また、配信専用機といったハードルは全然高くありません。配信を行ったことがあるユーザならすぐに操作ができます。」

八木氏「まず、ソフトウェアの作り込みがすごいなと思いました。配信に最適化された、インターフェイスや機能が洗練されています。また、TriCaster Mini をエンコーダーとして使用できるのが良い点です。別のエンコーダーと合わせて使用するなど、冗長性も考慮できます。」

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NDI を使用した IP ベースのライブ配信環境

NewTek 社の開発した NDI (ネットワークデバイスインターフェイス) は、IP を利用した映像伝送プロトコルだ。映像、音声、メタデータを、イーサネット環境でNDI 互換のさまざまなシステム、デバイス、PCなどへリアルタイムで相互に映像伝送することができる。

TriCaster シリーズは、NDI を映像入力として使用することが可能。一般的なギガビットイーサネットに対応したLANケーブルを利用して、コストを抑えたり配線をシンプルにできたりという利点を享受できる。また、NDI 対応の PTZ カメラは年々増加しており、TriCaster の GUI 上で、パン、チルト、ズーム、プリセットの呼出といった制御が可能だ。

八木氏「IPベースのライブ配信環境への対応は、これからますます必要になると思います。NDI は現在世界でもっとも利用され、一般的に使用できる技術です。TriCaster では特別な操作など必要とせず、簡単にNDI 対応製品の映像入力を使用できるのが利点です。」

今後の活用

リバービレッジクリエイトでは、あらゆるライブ配信で TriCaster Mini を活用したいと、非常に意欲的だ。 TriCaster Mini の可能性や拡張性により、今後の展望が大きく広がっていると話す。

川村氏「今後、ライブ配信はどこでもスピーディに行えることが重要になると思います。機動性、単一メーカーのバンドル、専用コントロールサーフェス、そしてNDI 対応 は、TriCaster シリーズの大きな強みではないでしょうか。」

八木氏「農業関係者からの紹介や宣伝をはじめ、 HPF 2022 にご参加された写真家の方からのオファーもあり、カメラやマイク、モニターと TriCaster Mini で、簡単にどこでもフットワーク軽くライブ配信を行っていきたいです。」

今後も、ライブ配信に関する製品や環境は増えていくと考えられる。その中で、コンパクトな筐体でパワフルな機能を搭載する TriCaster Mini は、 IP ベースのライブ配信環境に最適なライブ映像制作・配信システムとして存在感を増していくだろう。

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