アークベル株式会社が運営するバーチャルプロダクション専用の撮影施設「平和島 XR スタジオ」がリニューアル。新型コロナウイルス感染拡大を背景に増加するバーチャルイベントのニーズに応えるため、既存の設備を拡充し、新しい形の撮影・イベント運営に最適化した環境を整えるとともに、Zero Density 社の Reality を用いたリアルタイム CG 合成システムによるバーチャルプロダクションおよび配信ソリューションを導入することで、さらなる進化を遂げた。

関連情報

Zero Density 社の開発した Reality (リアリティ) は、究極のリアルタイムノードベース合成ソフトで、リアルタイムビジュアルエフェクト処理が行えます。 ビデオ I/O、キーイング、合成、レンダリングを単一のソフトウェアで実現します。最も写実的なバーチャルプロダクションソリューションである Reality は、非常に没入感のあるコンテンツ制作を実現するツールです。放送、メディア、映画業界にとって革命的です。

平和島 XR スタジオ、最先端のリアルタイム CG 合成システムでバーチャルイベントの制作と配信を強化

多様な演出に対応できるバーチャル撮影・配信環境を提供

アークベル株式会社

導入機材
Zero Density Reality
stYpe RedSpy
NewTek TriCaster® 2 Elite
AJA GEN10
AJA Corvid 88
Timecode Systems UltraSync ONE

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Reality を使った
最新活用事例

Reality (リアリティ) は、究極のリアルタイムノードベース合成ソフトです。

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撮影・イベント運営の「新しいカタチ」を実現するスタジオへ

映像・音響機材のレンタル事業と映像メディアの企画制作を中心に展開しているアークベル株式会社 (本社 : 東京都大田区、以下アークベル) が運営する「平和島 XR スタジオ」は、壁面 3 面をデジタルグリーンに塗装した都内有数のバーチャル配信施設だ。1990 年の創業以来、数々のリアルイベントの運営を手がけてきたアークベルは、2020 年春から高まっているオンラインイベント需要に応えるため、本社内に同スタジオを新設し、映像合成技術を取り入れたバーチャルイベントのライブ配信も行なっている。

そして 2021 年 2 月、バーチャルイベントの増加に伴い、スタジオをリニューアル。既存の設備を拡充し、新しい形のバーチャルイベント制作に幅広く対応できるシステムを構築した。リニューアルしたスタジオには、Zero Density 社のリアルタイム合成プラットフォーム「Reality (リアリティ)」、stYpe 社のカメラトラッキングシステム「RedSpy (レッドスパイ)」、NewTek 社のライブ映像制作システム「TriCaster 2 Elite」など、最先端のバーチャルプロダクションおよび配信ソリューションが導入された。

多様な演出ニーズにも柔軟に対応できるシステム

新型コロナウイルスの感染拡大により、VR (仮想現実) や AR (拡張現実) の映像合成技術を活用したオンラインイベントへの関心が高まった。しかし、それらの合成技術を使った映像制作は、これまで映画や CM、テレビ放送など一部の業界でしか利用されておらず、VR / AR を取り入れたイベントの配信は、アークベルやその顧客にとって新しい取り組みだった。

バーチャルイベントが広がり始めた当初は、イベントの主催者やイベント制作会社の中には、「バーチャルイベントは、イベントホールや広い場所を借りる必要がなく、低コストで開催できる」という認識があった。しかし実際には、イベント成功のカギとなるバーチャル世界の作り込みには、それ相応のコストがかかる。バーチャルセットの制作などの新たな作業と費用が発生する上、綿密な打ち合わせも欠かせない重要なプロセスだ。アークベルがいくつかのバーチャルイベントを経験する中で、一言にバーチャルイベントと言っても、顧客によって目的と求める演出が異なることが見えてきた。そこで、幅広い演出と予算に応じた柔軟な提案ができるスタジオへのリニューアルに踏み切った。

バーチャルプロダクションシステムをワンストップで

今回のリニューアルでは、既存のスタジオを第 1 スタジオとし、副調整室としても使える控室を併設した第 2 スタジオを増設した。第 1 スタジオは、クロマキー合成でよく見られる布製のグリーンバック (背景幕) ではなく、壁面がグリーンに塗装されていることでより高品質な合成を実現できるスタジオだ。今回これをさらに 3 面 R ホリゾント化するとともに、天井にはクロマキー合成用に最適化した照明を常設した。第 2 スタジオは小中規模の配信スタジオとして利用したり、必要に応じてグリーンバックを設置し、通常のクロマキー合成用スタジオとして使用したりすることも可能だ。どちらのスタジオも配信機材や専用ネットワーク回線を完備し、本格的なライブ配信に対応している。

■ VR / AR 技術を活用した最先端のバーチャルプロダクション
VR / AR 技術を活用した最先端のバーチャルプロダクション

第 1 スタジオには Zero Density 社のリアルタイム合成ツール Reality と、stYpe 社のカメラトラッキングシステム RedSpy を導入。 Reality は、VR / AR を活用したハイクオリティなバーチャル映像表現をリアルタイムで実現できる、最先端のソリューションだ。ゲームエンジンとして知られる 3D 制作プラットフォーム Unreal® Engine を利用したリアルタイムノードベースの映像合成ソフトで、ビデオ I/O、キーイング、合成、レンダリングを単一のソフトウェアで行う。

従来のバーチャルシステムが、背景、人物の実写映像、オブジェクトを平面のレイヤーで重ねて構成する 2D 合成であるのに対して、Reality はそれらを 3D の空間内に配置し合成する。そのため、人物やオブジェクト同士の前後関係の表現が可能で、これまでにはない、より「リアリティ」の高い映像演出が可能となる。Reality の最大の特徴は、他に類を見ないキーイングの精度の高さだ。足元の影の映り込みや、水が入ったペットボトルの透過、髪の毛のディテール、光沢のある素材への反射も驚くほど綺麗に表現する。より “リアル” な感覚を与えることができ、これまで以上に没入感のあるコンテンツ制作が可能になる。

リアルタイム CG 合成に欠かせないカメラトラッキングには、光学式カメラトラッキングシステム RedSpy が採用された。撮影用カメラに取り付けられた RedSpy が、本体上部の赤外線カメラでスタジオの天井に貼られた専用マーカーを検知して、カメラやオブジェクトの位置情報 (座標) を正確に収集する。カメラの映像と、位置情報やレンズデータは、Reality がインストールされたワークステーションへ送信され、Reality 上のバーチャルセットにリアルタイムに反映・合成された映像が出力される。出力された映像は、最終出力先となるモニターや LED ウォール、配信システムへと送られる。

Reality を搭載したワークステーションには、ビデオ I/O カードとして AJA 社の PCIe カード Corvid 88 が組み込まれており、8 系統の SDI (シリアルデジタルインターフェイス) 入出力を可能にしている。Reality と RedSpy の同期には AJA 社の HD/SD シンクジェネレーター GEN10 を採用し、マルチカメラ撮影の際は、Timecode Systems のワイヤレスタイムコード同期デバイス UltraSync ONE がシステム全体の同期を担う。「平和島 XR スタジオ」にはメディアサーバーとして disguise も導入されており、リアルタイムグラフィックツール Notchと併用して、印象的なビジュアルエフェクトを加えることもできる。Reality と disguise、両システムの特長を融合させた XR 演出ができるのは、他のスタジオにはない最大の特長だ。

■ 2D バーチャルとリモート出演に最適なライブ映像制作システム
2D バーチャルとリモート出演に最適なライブ映像制作システム

もっと手軽にバーチャルイベントに取り組みたいというニーズにも応えられるように、NewTek 社のライブ映像制作・配信システム TriCaster 2 Elite を中心とした 2D バーチャルプロダクションシステムも用意されている。TriCaster は、番組作りの基本となるスイッチング・収録・配信・合成・テロップ作成の機能が 1 台に詰め込まれている映像制作システムだ。コンサート、eスポーツ大会、企業イベントなどのライブ配信を世界中で支えている。NewTek 社が開発した IP ビデオ伝送方式「NDI (ネットワークデバイスインターフェイス)」をベースにしたシステムの構築や、既存の業務用映像機器との接続のために SDI にも対応している。

TriCaster シリーズには、バーチャルセット作成ソフトウェア Virtual Set Editor が付属しており、カスタマイズ可能なテンプレートが豊富に用意されている。合成専用スタジオでなくても、グリーンの背景布を設置すれば、比較的簡単にバーチャルプロダクションに取り組めるので、企業のインハウススタジオや大学などでも導入されている。すぐに馴染める直感的な操作性も魅力の一つだ。

2020 年に発売された TriCaster 2 Elite は、Zoom や Microsoft Teams などのオンライン会議アプリケーションとのスムーズな連携を可能にする Live Call Connect 機能を搭載しており、参加者のビデオ通話を個別の映像ソースとしてシステムに取り込めるので、複数のリモート出演者がいる場合の番組制作に非常に適している。

幅広いジャンルのバーチャル撮影、オンライン配信を実現

「平和島 XR スタジオ」は、今回のシステム拡充により、気軽にバーチャルイベントに取り組んでみたいという顧客から、最先端の 3D リアルタイム合成による驚きの演出や、高精度・高画質の合成を駆使した映像表現を求める顧客まで、幅広いニーズに対応できるスタジオへと生まれ変わった。

バーチャルイベントはまだまだ発展段階にあり、アイデア次第で無限の可能性を秘めている。商品を手のひらに浮かせた演出や、一瞬で別の世界に移動するなど、バーチャルならではの演出が可能になる。Reality は、映像表現のクオリティの高さから、世界各国の放送局が導入しているほか、映画や CM などの映像作品のリアルタイムプリビズ (Pre Visualization) としても利用されている。RedSpy も、高精度なリアルタイムトラッキングシステムとして世界的に高い評価を受けている。映像業界で実績のある両社のソリューションは、これからもオンラインイベントの可能性を広げていくだろう。

もちろん、2D の合成だけでも演出の幅は十分に広がる。限られた予算でバーチャルプロダクションに取り組んでみたいという場合は、TriCaster がおすすめだ。 アークベルでは、背景の CG に動画を使うことでステージに変化を持たせる演出も提案している。背景を動かして奥行きを感じさせることで、カメラを固定した状態でも 2D バーチャル空間を立体的に表現することが可能だ。

「平和島 XR スタジオ」では既に製品発表会や表彰式、企業イベント、音楽ライブなどの多彩なシーンでの撮影・配信が行われている。羽田空港からのアクセスも抜群で、スタジオまでは車両を横付けして荷物が搬入できるなど、導線にも配慮されている。同じフロアには豊富なレンタル機材を揃えた機材センターがあるので、機材構成が変更になった場合でもすぐに対応可能だ。また、複数の控室やメイクルームも完備し、快適な環境で制作に集中できる。アークベルは、新しくなったスタジオと、30 年以上のイベント運営で培ったノウハウを最大限に活かして、オンラインイベント制作やバーチャル配信のさらなる発展に寄与していく。

アークベル 平和島 XR スタジオ 実績

■ VoCE 2020 ベストコスメアワード

エンターテイメント性の高い、華やかな表彰式のステージをイメージしたバーチャルセットを作成。万全の感染症対策を施した上でゲストを迎え、YouTube でライブ配信。

■ テレビ東京 ドラマ 24 特別編「40 万キロ彼方の恋」、FOD フジテレビオンデマンド「シンデレラはオンライン中」

クロマキー合成のシーンをリアルタイムに合成しながら撮影。撮影後に行う VFX 作業とポストプロダクションの編集作業を大幅に軽減し、ドラマ制作を効率化。

テレビ東京 ドラマ 24 特別編「40 万キロ彼方の恋」
FOD フジテレビオンデマンド「シンデレラはオンライン中」
■ JTB Live Convention ビジネスイベント革命

社員と顧客向けにコンベンションをライブ配信。バーチャルセットの空間に配置したボード上にはプレゼン資料を表示、AR を使った演出も使用。グリーンバックスタジオでの撮影の模様やリアルタイム合成の裏側を紹介しながら配信。

JTB Live Convention ビジネスイベント革命
■ 一般消費財メーカーのカンファレンス & 表彰式

夜景が見える高層ビルの最上階をイメージしたバーチャルセットを使用。バーチャル空間内に配置したボードに、プレゼン内容に合わせてグラフィックやデータを表示し、視覚的な理解をサポート。

■ フィットネスクラブの社内イベント & 表彰式

夜日本各地の拠点を Zoom で中継しながらライブ配信。バーチャルスタジオの背景に、Zoom 参加者をビデオウォールのように配置し、参加者との一体感を演出。

その他多数

取材協力

アークベル株式会社

アークベル株式会社

https://www.arkbell.co.jp/

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